「あっ」 思わず声が出た。 自分でも忘れていたような場所を、いきなり掘り当てられたのだった。 リョウが手を止め、私の声の理由を探るような視線を寄越す。彼の手が再び動いた。 「や……ちょ、ちょっと」 思わず身をよじる。 「そうか、いやか」 リョウはなんだか愉しそうに、言葉とは裏腹に、同じことを続けてきた。 私は喉の奥からこぼれ落ちてくる吐息をあまりたくさん漏らさないように、呼吸を調節するので精一杯だった。 のしかかって来る彼の目と私の目が合った。実に余裕の眼差しで、私は自分の緊張が彼にはまるで生娘のように見えているのではないかと、そんなことをやけに気にした。 でも、次の瞬間、戸惑いも杞憂も、消えてしまった。彼の手が、また動いたからだった。
「『リョウが意外にテクニシャンなので驚くキング』とかメタクソ萌えね?」という妄想そのままの絵と小咄。
ちゃんと「どうしてこうなった」まで話は出来ているのですが、今回はそこからいちばん美味しいとこを抜粋しました。
ちなみに二人とも30歳超えてます。出会って10年、初めてのエッチとかアホほど萌える。
こんな寸止め小咄をたくさん描いては悦に入っているわけです。
おめでたい&痛いのは重々承知している。だが反省はしてない。自重もしない。
■10年後のつぶやき
この小話とイラストをもとにして、「cherry blossums」というお話を実に10年越しで書きました。イラスト自体も割と気に入っております。
朴念仁だけど流石に女性経験くらいあるんじゃないだろうか、人並みには、というリョウと、皆無ではないけどリョウを意識してからは色事からはちょっと遠ざかり気味だったキングさん、という感じで妄想していたり。